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AIO対策は内製できるか。社内で回せる範囲と、外部の力が要る境目

AIO対策を外注するか社内でやるか、見積もりを取る前に「そもそも自分たちで回せるのか」を判断したい。そんな状況で「AIO対策 内製」と調べている方に向けて書いています。

先に結論を書きます。AIO対策のうち、自社サイトの中を直す作業は内製で回ります。結論を先に置く書き直し、FAQの追加、会社情報や料金の正本化、構造化データの基本実装は、サイトの編集権限と月40時間前後の工数があれば社内で完結します。一方で、AIが引用している外部媒体に載せにいく作業と、どの質問で誰が引用されているかを追い続ける調査は、社内の作業時間を増やしても解決しにくい領域です。内製の境目は担当者のスキルではなく、作業が自社サイトの内側か外側かで決まります。

この記事では、内製で回せる作業と詰まりやすい作業を切り分け、最小構成の体制と工数、内製と外注を費用で比べる方法、外部に切り替える目安まで順に整理します。当社はAIO対策代行を提供していますが、内製で足りる範囲まで外注する必要はないと考えています。その前提で読んでください。

AIO対策は内製できるか。先に線引きを示す

AIO対策の作業は自社サイトの内側と外側に分かれる
AIO対策の作業は自社サイトの内側と外側に分かれる

内製できるかの答えは、作業の種類で変わる

AIO対策は、ChatGPTやGoogleのAI Overview、Perplexityのような検索して答えるAIに、自社のページや情報を引用してもらいやすくする取り組みです。やることを分解すると、大きく2種類しかありません。自社サイトの中身をAIが引用しやすい形に直すことと、AIが引用している外部の媒体に自社の情報を載せにいくことです。

前者は自社の管理下にあります。本文を直す権限があれば、今日から着手できます。後者は相手のある作業です。比較サイトや業界媒体、レビューサイトに掲載してもらうには、掲載先の選定、原稿の用意、交渉、掲載後の確認が必要で、社内で時間をかけても相手の都合で止まります。

内製の可否を聞かれたとき、当社は「サイトの中は内製できる。サイトの外は内製が詰まりやすい」と答えています。競合の解説記事でも、工程を内製向きと外注向きに分ける整理は共通していて、内製向きの工程として現状確認、結論先出しのリライト、FAQ追加、一次情報の追記、構造化データの基本実装が挙げられています。当社の線引きもほぼ同じで、違いは「なぜそこで分かれるのか」を作業の性質から説明している点です。

内製が向く会社の条件は3つ

内製で回るかどうかは、担当者の知識より社内の条件で決まります。当社が診断のときに確認しているのは次の3点です。

  • 自社サイトの本文とテンプレートを、外部の制作会社を通さずに編集できる
  • 会社情報、料金、実績、サービス説明の正本を社内で維持し、更新できる
  • Search ConsoleとGA4を自社アカウントで持ち、月1回は見る習慣がある

3つとも満たしていれば、サイトの中を直す作業は内製で進められます。1つでも欠けていると、施策の前に権限や体制の整理が必要になり、そこで止まる会社が多いです。特に1つ目は見落とされがちで、CMSの更新を制作会社に都度依頼している会社は、修正1本に数日から数週間かかり、月に数本しか直せません。この状態で内製と呼ぶのは無理があります。

内製で回せる範囲。AIが引用できる形に直す作業

内製で回せる5つの作業の流れ
内製で回せる5つの作業の流れ

5つの作業と、それぞれの担当と工数

サイトの中を直す作業は、順番と担当を決めれば社内で回ります。当社が代行でも最初の3か月にやっている作業を、内製向けに書き直したものが次の表です。

作業内容担当月の工数の目安
現状確認自社に関係する質問を20〜30個決め、AIの回答を月1回記録する編集担当3〜5時間
結論先出し主要ページのH2直下に、その見出しへの答えを2〜3文で置き直す編集担当10〜15時間
FAQ追加問い合わせや商談で繰り返し聞かれる質問と答えを各ページに足す編集担当と営業5〜8時間
正本の整備会社情報、料金、実績、サービス説明を1か所にまとめ、他ページはそこを参照する責任者と編集担当初月10時間、以降2時間
構造化データFAQPage、Organization、Articleの基本実装と検証技術担当初月8時間、以降2時間

合計すると初月が40〜50時間、2か月目以降は25〜35時間が目安です。専任は要りませんが、週に1日は確保できる担当者がいないと、他の業務に押し出されて止まります。

最初の1か月に手を付ける順番

5つを同時に始めると、どれも中途半端になります。当社が勧めている順番は次のとおりです。

  • 1週目に現状確認。質問を決めて回答を記録し、自社が出ていない質問を把握する
  • 2週目に正本の整備。会社情報と料金がページごとに食い違っていれば、ここで統一する
  • 3〜4週目に結論先出しとFAQ追加。出ていなかった質問に対応するページから直す
  • 構造化データは、本文を直したページから順に実装する

現状確認を最初に置くのは、直す対象を絞るためです。AIの回答に自社が出ていない質問のうち、自社に答えられるページがあるものから直せば、限られた工数を無駄にしません。逆に、いきなり全ページのリライトから始めると、月の工数を使い切っても引用の変化が見えず、社内の熱が冷めます。

内製で成果を確認する方法

内製で一番困るのは「やったことが効いているか分からない」ことです。AIの回答は同じ質問でも日によって揺れるため、1回見て出ていなくても失敗とは言えません。当社が月次レポートでやっている方法を内製向けに簡略化すると、次のようになります。

  • 同じ質問リストを、同じAI、同じ条件で、毎月同じ日に確認する
  • 質問ごとに「引用された」「言及された」「出ていない」の3段階で記録する
  • 月ごとの「出ていない」の減り方を見る。個々の質問の増減で一喜一憂しない

3か月分たまると傾向が見えます。当社の経験でも、ページの修正が反映されて回答に変化が出始めるまで1〜3か月かかるため、最初の月に変化がなくても打ち切らないでください。

内製が詰まりやすい範囲。外部露出と継続調査

内製が詰まりやすい4つの領域
内製が詰まりやすい4つの領域

外部媒体への掲載は、時間をかけても進まない

検索して答えるAIは、自社サイトだけを見て回答を作っているわけではありません。比較サイト、業界メディア、レビューサイト、Q&Aサイトなど、第三者の情報を組み合わせて回答を組み立てます。自社サイトの中身を完璧に直しても、その分野でAIが引用している媒体に自社の情報がなければ、回答に出てくる機会は限られます。

ここが内製の最初の壁です。掲載してもらうには、まずどの媒体がAIに引用されているかを調べ、掲載の条件を確認し、媒体ごとに原稿を用意し、担当者とやり取りをします。編集担当が本文の修正と並行してこなせる量ではなく、しかも相手の返事を待つ時間が長いため、担当者が「進んでいない」と感じて手を止めやすい作業です。

当社が代行で請けている作業の半分はこの部分です。自社サイトの修正は内製でも進む会社が多いのに対し、外部媒体への掲載は、着手すらしていない会社が大半でした。

第三者の言及は、自社では書けない

導入事例、顧客レビュー、取材記事、登壇や寄稿。こうした第三者の言及は、AIが「この会社は実在していて、他者から評価されている」と判断する材料になります。問題は、自社では書けないことです。顧客に事例掲載を依頼する、レビューを書いてもらう、媒体に取材を持ちかける。いずれも社内の作業時間を増やせば片付くものではなく、関係づくりと依頼の設計が要ります。

内製で進めるなら、営業やカスタマーサクセスに「事例掲載の許諾を取る」役割を明示的に持たせる必要があります。編集担当が1人で抱えると、確実に後回しになります。

継続的な競合調査と、優先順位の判断

もう1つ詰まりやすいのが、どの質問で誰が引用されているかを追い続ける調査です。最初の1回は内製でもできます。続かないのは、毎月同じ条件で確認し、変化の理由を仮説立てし、次に直す箇所を決めるという判断の部分です。

直す箇所の候補は、調べれば必ず10も20も出てきます。そこから「今月はこの3つ」と決めるには、過去にどの修正がどの変化につながったかの経験が要ります。内製で初めて取り組む場合、この経験がないので、優先順位が付けられずに全部やろうとして工数が破綻するか、手が付けやすい作業だけを繰り返して効果が出ないかのどちらかになりがちです。

詰まりやすい4つの領域に共通しているのは、社内の作業時間を増やしても解決しないことです。ここを内製で無理に抱えるより、外部に任せて社内は自社サイトの修正に集中するほうが、同じ工数で進む量が増えます。

内製の体制と工数。最小構成で回すには

内製の最小構成は3つの役割
内製の最小構成は3つの役割

3つの役割を分ける。決める人だけは兼任させない

内製が止まる原因は、工数の不足より役割の未分化です。当社が診断で見てきた中で、内製が続いている会社には共通して3つの役割がありました。

役割やること月の工数兼任
決める人直す優先順位の決定、公開前の確認、外部に出す情報の可否判断5時間編集担当と分ける
直す人本文の書き直し、FAQ追加、構造化データの依頼と確認20〜30時間Web担当やマーケ担当が担う
情報を出す人顧客の質問、導入事例、現場の数値など一次情報の提供5時間営業や開発が持ち回りで担う

決める人を直す人と分けるのは、直す人が自分で優先順位を決めると、書きやすいページから直してしまうからです。上位者が月1回「今月はこの3ページ」と決めるだけで、工数の使い方がまるで変わります。逆に、情報を出す人は専任でなくて構いません。月1回30分の聞き取りで足ります。

会議体は月1回30分で足りる

内製の運用で会議を増やす必要はありません。月1回、3つの役割が集まって次の3点を確認すれば回ります。

  • 先月の現状確認の結果。出ていない質問がいくつ減ったか
  • 今月直すページ3本と、その理由
  • 情報を出す人から、新しい事例や顧客の質問があるか

30分で終わらない場合は、直す対象を絞れていないか、現状確認のデータが整理されていないかのどちらかです。会議を長くするより、記録の形式を決めてください。当社は質問、AIの種類、確認日、結果の4列で記録しています。この形式なら誰が見ても前月との違いが分かります。

内製が続かない典型パターン

内製を始めて3か月で止まる会社には、パターンがあります。

  • 担当者が1人で3役を兼ね、繁忙期に更新が止まってそのまま再開しない
  • 最初の1か月で全ページを直そうとして、工数を使い切ったのに変化が見えず打ち切る
  • 現状確認の記録を残さず、効いているかどうかを議論できずに予算が付かなくなる
  • 構造化データの実装を制作会社に依頼したまま数か月待ち、他の作業まで止まる

いずれも知識不足ではなく、体制と記録の問題です。逆に言えば、役割と記録の形式を最初に決めておけば、担当者の経験が浅くても続けられます。

内製か外注かの判断。費用の比べ方と切り替えの目安

内製・外注・併用の比べ方
内製・外注・併用の比べ方

内製の費用は人件費で計算する

内製は無料ではありません。担当者の時間には給与がかかっていて、その時間を他の業務に使えば別の成果が出ていたはずです。内製と外注を比べるときは、内製の工数を人件費に直してから並べてください。

進め方月の費用の目安社内の工数進む範囲
内製のみ人件費のみ。月30〜40時間を時給換算すると10〜15万円程度30〜40時間サイト内の修正。外部露出は手薄になりやすい
外注のみ業界の相場は月15〜50万円。当社は月29,800円から(初月無料)、初期費用0円5〜10時間サイト内の修正と外部媒体への掲載の両方
併用外注費に加え、社内の人件費15〜20時間サイト内は社内、外部露出と調査は外部

月の人件費は、担当者の年収が500万円前後なら時給換算でおよそ3,000円、月35時間で10万円強になります。外注の相場は解説記事によって幅がありますが、月15〜50万円というレンジが多く挙げられています。この数字だけ見ると、内製と外注の費用差は思ったほど大きくありません。差が出るのは費用ではなく、進む範囲です。

外注に切り替える3つの目安

内製で始めた会社が外部に相談するタイミングには、共通する目安があります。

  • 現状確認を3か月続けて、出ていない質問の数が減っていない
  • サイト内の修正は一巡したが、外部媒体への掲載に着手できていない
  • 担当者の異動や繁忙期で更新が2か月以上止まった

1つ目は、直し方が合っていないか、直す対象がずれている可能性があります。2つ目は内製の限界に達した状態で、ここから先は外部の作業量が必要です。3つ目は体制の問題で、外部に任せることで継続性を確保する判断になります。

全部任せる、全部やるの二択にしない

当社の立場から言うと、全部を外注する必要はありません。当社がやっている2つの作業のうち、自社サイトの中を直す部分は、内製できる会社なら内製したほうが社内に知見が残ります。外部に任せる価値が大きいのは、AIが引用している媒体に載せにいく部分と、毎月の調査と優先順位の判断です。

併用する場合の分担は、次のように決めると迷いません。

  • 自社サイトの本文修正とFAQ追加は社内で行う
  • 外部媒体の選定、掲載交渉、原稿作成は外部に任せる
  • 毎月の現状確認と次に直す箇所の提案は外部が出し、決定は社内で行う
  • 3か月ごとに分担を見直し、社内で回せるようになった作業は引き取る

この分担なら、社内の工数は月15〜20時間に収まり、外部露出と調査が止まりません。当社の代行も、この形で社内の担当者と分担しているケースが多いです。引用を保証することはできませんが、毎月の実行量と、何をやってどう変わったかの記録には責任を持ちます。

よくある質問

AIO対策を内製する場合、専任の担当者は必要ですか

専任は必須ではありません。週に1日程度、月30〜40時間を確保できる担当者が1人いれば、自社サイトの中を直す作業は回ります。ただし、直す人と決める人は分けてください。優先順位の判断を上位者が月1回行うだけで、限られた工数の使い方が安定します。

内製で始めて、効果が出るまでどれくらいかかりますか

ページの修正がAIの回答に反映され始めるまで、目安として1〜3か月です。引用される質問の幅が広がって問い合わせに表れるのは3〜6か月かかります。最初の月に変化がなくても打ち切らず、同じ条件での現状確認を3か月は続けてください。

内製と外注を併用する場合、どこから外部に任せるべきですか

AIが引用している外部媒体への掲載と、毎月の調査と優先順位の提案から任せるのが効率的です。この2つは社内の作業時間を増やしても進みにくい領域です。自社サイトの本文修正は社内で続け、社内で回せるようになった作業は3か月ごとに引き取ってください。

内製に必要なツールは何ですか

最初は有料ツールなしで始められます。Search Console、GA4、記録用のスプレッドシート、構造化データの検証にはGoogleのリッチリザルトテストがあれば足ります。AIの回答は各サービスで手動確認します。質問の数が50を超えて手動確認が回らなくなった段階で、引用状況を自動で追うツールの導入を検討してください。

まとめ

AIO対策は、作業を自社サイトの内側と外側に分けると、内製できる範囲がはっきりします。

  • 自社サイトの中を直す作業は内製で回る。現状確認、結論先出し、FAQ追加、正本の整備、構造化データの基本実装の5つ
  • 必要なのは編集権限、正本を維持できる体制、Search ConsoleとGA4を見る習慣の3つ
  • 体制は決める人、直す人、情報を出す人の3役。月の工数は初月40〜50時間、以降25〜35時間
  • 外部媒体への掲載、第三者の言及、継続的な調査と優先順位の判断は、社内の時間を増やしても解決しにくい
  • 内製の費用は人件費で計算し、進む範囲で外注と比べる。迷うなら併用から始めて3か月ごとに分担を見直す

内製で始めるなら、最初の1か月は現状確認と正本の整備に集中してください。直す対象が絞れていれば、少ない工数でも変化が見えます。逆に、外部媒体への掲載まで手が回らない、3か月続けても出ていない質問が減らないという状態になったら、それが外部に相談する目安です。

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