Blog
ゼロクリック検索の対策。クリックされない前提で成果を作る3つの考え方と月次で見る数字

検索順位は落ちていないのに、サイトへのアクセスだけが減っている。そう感じて、ゼロクリック検索の対策を探している担当者や経営者に向けて書いています。
先に結論です。ゼロクリック検索は、検索結果の画面だけで調べものが終わり、サイトが訪問されない現象です。止めることはできません。取れる手は、影響を受けている範囲を切り分けること、クリックされなくても名前が残る状態を作ること、成果の測り方をアクセス数から問い合わせに寄せることの3つです。
この記事では、ゼロクリック検索の種類、自社への影響の確認手順、クリックされない前提での成果の作り方、AIの回答に自社の情報が入るための作業、月次で見る数字の順に説明します。上位の解説記事は、指標の見直しと一次情報の発信を中心に書いています。この記事ではそこに加えて、AIの回答の中に入る側に回る方法を、AIO対策を請け負う当社の立場から整理します。
ゼロクリック検索とは何か。どこまで自社に関係するか

ゼロクリック検索とは、検索結果の画面に答えが出ていて、利用者がどのサイトも開かずに検索を終える行動のことです。海外の調査会社SparkToroは、米国のGoogle検索の半数以上がクリックなしで終わると公表しています。計測方法で数字は変わりますが、増加傾向にあるという見方は、国内の解説記事でも共通しています。
検索結果だけで終わる4つの型
ゼロクリックは一つの現象ではなく、複数の型があります。自社の記事がどの型の影響を受けているかで、対策が変わります。
- 即答型。言葉の意味、計算、天気、営業時間など、一言で済む検索
- 抜粋表示型。強調スニペットや関連する質問に、回答の一部が表示される検索
- AI要約型。AIが複数の情報源をまとめた回答を出し、それで調べものが完結する検索
- 地図・予約型。店舗情報や予約まで、検索結果の画面内で済む検索
BtoBのサービス選びやAIO対策の比較のように、複数の観点で比べたい検索は、一度では終わりにくい傾向があります。一方で、用語の意味を調べるだけの記事は、AI要約型の影響を強く受けます。
影響を受けやすいページと受けにくいページ
自社サイトのページを、次の表のように分けて考えると、優先順位が付けやすくなります。
| ページの種類 | 影響の受けやすさ | 考え方 |
|---|---|---|
| 用語の意味を答えるページ | 大きい | 流入減を前提に、指名検索への橋渡しを作る |
| 手順や比較を扱うページ | 中程度 | 表や事例で、画面だけでは済まない中身にする |
| サービス紹介、料金のページ | 小さい | 回答に載っても、確認のために訪問される |
検索全体ではなく、自社の流入で見る
世の中の割合がどうであれ、自社への影響は自社のデータでしか分かりません。次の章で、確認の手順を説明します。
順位は変わらないのにクリックが減る。まず影響を切り分ける

アクセスが減ったとき、原因をすべてゼロクリックだと決めつけるのは危険です。順位の低下、季節要因、サイト側の不具合が混ざっていることがあります。Search Consoleで、次の順に確認します。
表示回数とクリック数を並べて見る
表示回数が変わらず、クリック数だけが減っているなら、検索結果の見え方が変わった可能性があります。表示回数そのものが減っているなら、順位の低下や検索需要の減少を疑います。この2つは対処が違うので、最初に分けます。
平均掲載順位と、減ったページの特定
平均掲載順位が下がっていれば、従来のSEOの問題として改善します。順位が保たれているのにクリックが減ったページは、ゼロクリックの影響を受けている候補です。ページ単位とクエリ単位で、減少幅の大きいものから並べます。
型の判定と優先順位
減ったページを、前の章の4つの型に当てはめます。判定の目安は次の表のとおりです。
| 現れ方 | 疑う原因 | 最初の一手 |
|---|---|---|
| 表示は同じ、クリックだけ減少 | 回答の画面内表示 | 回答に載る側に回る |
| 表示もクリックも減少 | 順位低下、需要減 | 従来のSEO改善 |
| 特定のページだけ減少 | 内容が要約で代替される | 独自情報や表を足す |
この切り分けをしないまま、全ページの書き直しに着手するのは避けてください。影響が大きいページが数本に絞れることは多く、そこに作業を集中させるほうが効果は読めます。
クリックされない前提で成果を作る3つの考え方

クリックを取り戻す施策だけでは、限界があります。画面内で完結する検索は、今後も残るからです。そこで、クリックされなくても成果につながる設計に切り替えます。
引用される側に回る
AIの回答に自社の情報が出れば、クリックされなくても、名前は読者の目に入ります。回答の中に自社が登場する状態を作ることが、第一の考え方です。ただし、どの情報が引用されるかは各サービスの提供元が決めるため、引用を保証することはできません。できるのは、引用されやすい形に情報を整えることと、AIが参照している媒体に露出することです。
名前を覚えてもらい、指名検索で戻ってきてもらう
回答を見た人が、後から社名やサービス名で検索し直す流れは、実際に起こります。そのため、回答に載ったときに、社名とサービスの名前が一緒に読み取れる書き方にしておきます。「当社は」「弊社は」だけで済ませず、名称を本文に出します。
クリックされたときの受け皿を整える
クリックしてくる人は、画面内の回答では足りなかった人です。つまり、比較や判断を始めている段階の人が増えます。その人が迷わず次に進めるよう、料金、事例、問い合わせの導線を整えます。
- 結論を見出しの直下に置き、全体像が10秒で分かるようにする
- 料金や期間を、表で隠さずに示す
- 問い合わせの前に、無料で相談できる入口を用意する
- 画面の回答では伝わらない、手順や失敗例を載せる
3つの考え方の優先順位
3つは同時に進められますが、人手には限りがあります。影響が大きいページがあるなら、引用される側に回ることを先にします。そのうえで、受け皿を整える順番が現実的です。
AIの回答に自社の情報が入るための2つの作業

AIO対策代行を提供する当社が、実際に行っている作業は2つです。ここでは、その中身を具体的に説明します。
1つ目。コンテンツをAIが引用できる形に直す
AIが情報を拾うとき、長い文章の中の曖昧な表現より、結論が明示された短い文や、整理された表を使いやすい傾向があります。そのため、既存の記事を次の観点で直します。
- 見出しの直下に、その章の結論を1〜2文で置く
- 比較や数値は、文章ではなく表にする
- 「弊社」「こちら」を避け、社名とサービス名を明記する
- 主張の根拠になる調査名や発表元を、文章で書く
これは新しい技術ではなく、読み手にとっても分かりやすい書き方です。結果として、読者がクリックした後の満足度も上がります。
2つ目。AIが引用している媒体に載せにいく
自社サイトを直しても、AIが別の媒体を参照して回答を作っている場合は、自社の情報が回答に届きません。そこで、決めた質問に対して、AIがどの媒体を引用しているかを確認し、その媒体に自社の情報が載るよう動きます。業界メディア、比較サイト、事例集など、載せ方は媒体によって異なります。
| 作業 | 対象 | 目的 |
|---|---|---|
| 構造の修正 | 自社サイトの記事 | 拾われやすい形にする |
| 外部露出 | AIが参照する媒体 | 参照元の中に入る |
保証しない代わりに、量と報告に責任を持つ
当社は、引用や表示を保証しません。それは、各サービスの提供元の判断に左右されるためです。代わりに、実行した作業の量と、月次のレポートに責任を持ちます。費用は月10万円、初期費用は0円で、契約期間の縛りはありません。
月次で見る数字と、見ないほうがいい数字

ゼロクリックが増えるほど、アクセス数だけで成果を判断するのは難しくなります。月次で見る数字を、先に決めておきます。
月次で追う4つの数字
見る数字は4つで十分です。
- 表示回数。検索結果での露出の量を見る
- 指名検索の数。社名やサービス名での検索が増えているか
- AI上の言及。あらかじめ決めた質問で、自社が登場しているか
- 問い合わせの件数。最終的な成果
AI上の言及は、同じ質問を毎月同じ条件で確認します。回答は毎回変わるため、1回の結果で一喜一憂せず、複数の質問での傾向を見ます。
見方を変える指標
従来の指標のうち、見方を変えたほうがよいものを整理します。
| 指標 | 従来の見方 | これからの見方 |
|---|---|---|
| 検索順位 | 上位ほど成果が出る | 順位に加えて、画面内の見え方も確認 |
| ページビュー | 多いほどよい | 問い合わせにつながるページで評価 |
| クリック率 | 高さを追う | 型ごとに目標を分ける |
数字を見る頻度と役割分担
月次の確認は、1時間程度で終わる形にしておくと続きます。確認項目を固定し、前月との差だけを見る運用が現実的です。
担当者が一人の会社でも回るように、記録は表計算ソフト1枚にまとめます。左に質問、右に月ごとの結果を並べ、言及があったか、どの媒体が引用元として出たかだけを残します。引用元として繰り返し出る媒体が見つかれば、それが次に載せにいく先の候補になります。数字が動かない月があっても、作業の量と中身を記録しておけば、翌月以降の判断材料になります。
よくある質問
ゼロクリック検索が増えると、SEOは意味がなくなりますか。
意味がなくなるわけではありません。AIの回答も、検索で評価されるページやサイトの情報を参照することが多いため、検索で正しく評価されるための基本は引き続き必要です。そのうえで、AIの回答に入るための整え方を重ねる、という考え方になります。
クリックを取り戻す方法はありますか。
即答型の検索では難しいですが、比較表、手順、失敗例など、画面内の回答では足りない中身を用意すると、クリックされる理由が残ります。クリックを取り戻すことよりも、クリックされた後に問い合わせへ進める設計のほうが成果に近くなります。
AIの回答に出ているかどうかは、どう確認しますか。
あらかじめ決めた質問を、複数のAI検索サービスに同じ条件で入力し、回答と引用元を記録します。回答は毎回変わるため、月に数回、同じ質問で繰り返して傾向を見ます。専用の計測ツールもありますが、まずは手作業の記録で十分始められます。
対策すれば必ず引用されますか。
必ずとは言えません。各サービスの提供元が仕組みを決めており、外部から保証することはできないためです。引用を保証するとうたう提案には、慎重に対応してください。
まとめ
ゼロクリック検索は、止められない流れです。対策は、次の3点に整理できます。
- Search Consoleで、順位の問題と画面内完結の問題を切り分ける
- 引用される側に回り、名前を残し、受け皿を整える
- 月次で、表示、指名検索、AI上の言及、問い合わせを見る
自社のどのページが影響を受けていて、どこから手を付けるべきか迷う場合は、無料診断で整理できます。