Blog
生成AI検索の利用率データと、AIO投資判断への使い方

検索するときにChatGPTやGoogleのAIモードを最初に開く人が、もう珍しくない。そんな肌感覚を数字で裏づけたくて「生成AI 検索 利用率」と調べている方に向けて書いています。
結論から書きます。検索行動そのものを生成AIに置き換えている人の割合は、直近の調査比較で半年弱のあいだに1.5倍に伸びるペースで増えています。この記事では、複数の調査が出している利用率の数字を並べたうえで、年代やシーンごとの偏り、調査によって数字が食い違う理由、そしてその数字を自社のAIO投資判断にどう使うかを順番に整理します。当社はAIO対策代行を提供していますが、この記事では特定の調査を煽り材料にはせず、判断材料として使える形に数字を並べ直すことを目的にしています。
生成AI検索の利用率は、もう一部の人の数字ではない

まず全体像です。生成AIサービス自体の利用経験率は、国内調査で15〜69歳の58.8%に達したという結果が出ています。2023年度の調査では9.1%だった数字が、2024年度に26.7%、2025年度に58.8%と、2年連続で前年から倍以上に伸びている計算です。対象年齢に15〜19歳が新たに加わった影響を除いて20歳以上に絞っても52.2%あり、いずれにしても国内の成人の半数以上が生成AIを使った経験を持つ段階に入っています。
これは生成AI全般の利用率であって、検索行動に限った数字ではありません。ここが最初に押さえておきたいポイントです。生成AIを使ったことがある人がそのまま検索の代わりに使っているとは限らず、文章作成や画像生成など別の用途にとどまっている人も含まれます。次の項目で、検索行動に絞った数字を見ていきます。
生成AI全般の利用率と、検索利用率は別の数字
- 生成AI利用経験率(15〜69歳、2025年度) 58.8%
- 20歳以上に限定した場合 52.2%
- テキスト生成AIに限った利用率 55.0%
- 2023年度時点の利用経験率 9.1%
同じ「利用率」という言葉でも、何を対象にした数字かで意味が変わります。記事や資料で数字を引用するときは、対象年齢と調査時期をセットで確認する癖をつけておくと、あとで数字のずれに悩まされずに済みます。
なぜ検索に限った数字を分けて見る必要があるか
自社の集客戦略に関わるのは、生成AI全般の利用率ではなく「検索の代わりに生成AIを使っているか」という部分です。この違いを分けずに議論すると、投資判断がぶれます。次の項目で、検索行動としての生成AI利用率を具体的に見ていきます。
検索行動が生成AIに移っている速さを、複数の調査から確認する

検索の場面で生成AIを使う人の割合を継続して追っている調査によると、2025年5月時点で21.3%だった利用率が、2025年10月時点では31.1%まで伸びています。約半年で9.8ポイント、比率にして1.5倍近い伸び方です。同じ期間にChatGPTの利用率も17.3%から25.5%へ伸びており、検索行動の変化が一過性ではなく続いていることがわかります。
別の調査では、検索行動の際に生成AIを使う人の割合が37.0%に達したという結果も出ています。調査対象や質問の仕方が違うため数字そのものは一致しませんが、3割台から4割手前という水準は複数の調査でおおむね重なっています。
| 調査時点 | 検索行動における生成AI利用率 | 半年前との比較 |
|---|---|---|
| 2025年5月 | 21.3% | - |
| 2025年10月 | 31.1% | 約1.5倍 |
| 別調査(2026年2月時点) | 37.0% | - |
併用ユーザーの中で進む代替の深さ
生成AIと検索エンジンを両方使っているユーザーに絞ると、約4割が「検索の半分以上をすでに生成AIに置き換えた」と回答しています。これは、利用者が増えているだけでなく、1人あたりの依存度も上がっていることを示す数字です。利用率の伸びだけを見ていると、この深さの変化を見落とします。
検索エンジン側のAI機能への認知も並行して進んでいる
- Google検索のAIモードの認知率は全体で約5割
- 同じ調査で10代の認知率は7割を超える
- 検索窓に入力した瞬間にAIの要約が出る体験が、すでに標準化しつつある
検索エンジン自体がAIによる回答をデフォルトで出す設計に寄っているため、利用者が能動的に生成AIサービスを開かなくても、AIの回答に触れる機会自体は今後さらに増えると見るのが自然です。
年代・利用シーンで見る偏り、BtoBの検討者はどちらにいるか

利用率は年代によって大きく偏っています。全体の利用経験率58.8%に対して、15〜19歳は91.7%、20代は78.2%と若年層で突出して高く、60代は33.5%にとどまります。検索行動に限った調査でも同じ傾向があり、10代の利用率は64.1%と全世代平均の2倍以上です。
自社の商材が若年層向けかどうかで、この数字の受け止め方は変わります。ここでBtoBの現場について補足しておきます。若年層の数字だけを見ると「うちはBtoBだから関係ない」と判断しがちですが、それは早計です。
年代別に見た生成AI利用率の目安
- 15〜19歳 91.7%
- 20代 78.2%
- 60代 33.5%
- 検索行動限定の10代 64.1%
- 検索行動限定の20代 44.3%
BtoBの検討者が生成AIを使う理由は情報収集より比較検討
検索行動における生成AIの用途を調べた調査では、単純な情報収集よりも比較検討の場面での活用が進んでいるという結果が出ています。BtoBの購買プロセスは複数の選択肢を比較する工程が長く、担当者個人の年代が40〜50代であっても、比較検討の場面でChatGPTやAIモードに頼る動きは十分に起こり得ます。年代別の利用率だけでBtoBの影響を判断するのは、実態とずれるリスクがあります。
調査によって数値が食い違う理由と、自社の判断に使ってよい数字の選び方

生成AIの利用率を調べると、調査によって数字がばらつくことに気づきます。日本の生成AI利用率として58.8%という数字がある一方で、別の国際比較調査では34.9%という数字も出ています。これは片方が間違っているわけではなく、調査設計が違うためです。
数字がずれる主な要因
- 調査対象の年齢層(15歳以上か20歳以上かなど)
- 「利用経験がある」か「月に数回以上利用している」かという利用頻度の定義
- 調査実施主体が自社サービスの利用者を母集団にしているか、無作為抽出か
- 調査時期(半年でも数字が大きく動く領域のため)
国際比較で日本が34.9%、米国が58.8%、中国が86.3%という数字を見た場合、これは「月に数回以上利用している」という条件を揃えた比較です。一方で「使ったことがある」という緩い条件では日本は58.8%まで上がります。同じ日本の数字でも条件次第で20ポイント以上変わるということです。
自社の資料に使う数字を選ぶときの基準
社内向けの説明資料や予算稟議に数字を引用する場合は、次の基準で選ぶと後で突っ込まれにくくなります。
| 目的 | 使うべき数字の条件 |
|---|---|
| 危機感を伝える速報値 | 直近半年の伸び率(調査時期を明記) |
| 保守的な予算試算 | 利用頻度を絞った厳しめの数字 |
| 経営層への説明 | 調査主体と対象年齢を必ず併記 |
数字の出典を明示せずに「生成AI検索の利用率は6割」とだけ書くと、条件の違う数字と比較されたときに信頼性を疑われます。引用元の調査名と対象年齢、調査時期は必ずセットで扱うことをおすすめします。
この利用率データから、AIO投資をどう判断するか

ここまでの数字を踏まえて、実際に投資判断へどうつなげるかを整理します。利用率が伸びているという事実だけでは、投資の意思決定材料としては弱いです。判断に使うには、自社の顧客層と利用シーンに当てはめる作業が必要になります。
投資判断の前に確認する3つの問い
- 自社の想定顧客の年代は、検索行動における生成AI利用率が高い層と重なるか
- 自社の商材は比較検討の工程が長く、AIに検討材料をまとめられやすい商材か
- 現時点で自社の情報がAIの回答にどの程度含まれているか、あるいは含まれていないか
3つ目の問いは、調査データではなく自社の実測が必要な部分です。全国平均の利用率が伸びていても、自社の指名検索や問い合わせにその変化が現れていなければ、優先度は下がります。逆に、利用率の伸びと自社への引用の少なさが両方確認できた場合は、投資判断を早めた方がいい状態です。
判断を先送りするコストと、動くコストを比べる
利用率が31.1%から今後もこのペースで伸びると仮定すると、AIの回答に情報が載っていない状態を放置する期間が長いほど、比較検討の場でAIに一切名前が挙がらない期間も長くなります。当社では、この状態を「引用ゼロ期間」と呼んで、着手が遅れるほど競合との差が固定化しやすい領域だと説明しています。逆に言えば、まだ利用率が3割台の今の段階で構造を整えておくことは、利用率がさらに伸びたときに慌てて対応するより工数が少なく済みます。
なお、当社が提供しているAIO対策代行は、コンテンツをAIが引用しやすい形に直す作業と、AIが実際に参照している媒体に情報を載せに行く作業の2つを軸にしています。引用そのものを保証することはできませんが、実行量と月次のレポートには責任を持って対応しています。
よくある質問
生成AIの検索利用率はどの調査を見るのが一番正確ですか
調査によって対象年齢や利用頻度の定義が異なるため、単独の調査を「正確」と決めるより、複数の調査の傾向が同じ方向を向いているかで判断するのが安全です。この記事で扱った調査はいずれも、検索行動における生成AI利用が伸びている点では一致しています。
利用率が伸びていても、自社の業界には関係ないと考えていいですか
年代別の利用率だけで判断するのはおすすめしません。比較検討の工程がある商材であれば、担当者の年代に関わらずAIを使う場面は起こり得ます。まずは自社の指名検索や問い合わせ経路に変化がないかを確認することから始めるのが現実的です。
検索行動における生成AI利用率は今後も伸び続けますか
将来の数字を断定することはできません。ただし、検索エンジン自体がAIによる回答をデフォルトで表示する設計を強めている流れがあるため、少なくとも直近の数字が急に反転して減少に転じる要因は見当たりません。
まとめ
検索行動における生成AI利用率は、半年で1.5倍に伸びるペースで拡大しています。全体の利用経験率は58.8%まで達しており、年代によって差はあるものの、若年層だけでなく比較検討の場面を通じてBtoBの現場にも影響が広がり始めています。調査によって数字にばらつきがあるため、資料に使う際は調査主体と対象年齢、時期を必ず確認したうえで引用してください。
大事なのは数字そのものより、自社の顧客層や商材とその数字が重なるかどうかを確認する作業です。重なると判断できるなら、利用率がまだ3割台の今のうちに、AIに引用されやすい構造を整えておくことが、後から追いつくより負担の少ない選択になります。